「今宵朝を想って、晴天の辟易」風街今日

文章を描く高校生ですが。

「桜の讃歌」

 

羞恥心から破天荒になって

眠りにつく、種はそうして桜を芽吹く

草分けのトノサマバッタも等身大な

寝転がった筋雲を渡り続ける

右半身は東京の喧騒へ

左半身は宇宙の夢へ

胎児の引っ越しだとか一番風に吹き飛ぶように

“血”は誇りの響きだった

青空に家族は捨てたものじゃなく

 

花弁が誰かの記憶を魅せる

かつて笹原で大造が裂け廟に倒れ込む

筍掘ったで、みなで食え食え

トロリーバスがなかった時代も自然と人は相容れず

分校も那由他日目の放課後に

子供の笑い声は殺伐としてしまうだろう

村祭りも無くなって

ただただ朽ちた空き家が

華麗巨桜に絞め殺されて揺らめいている

春ののっぱら

 

未来なくリクルートしてます

恩返しだなんてとんでもなく

波止場も遠いのに社会の厳しさが流れ着く

人柱を立てずに祈る事はできない都会で

尾根の稜線がアップダウンのしあわせグラフ

行末を案じて開けた土手にいるのでは

抜けるようなと言ったとて

青いカンバスみたいな美空だから

きっと突き破れない、閉じ込められた人たち。

 

どうも今日はご機嫌です

明日はおそらくセンチメンタル

挨拶ができないから

狙われもせず影が薄くなる

いつかの誰かと何も変わらず(歴史は繰り返す)

桜といっしょに社会からぼやけ始める怪奇現象を

詩人は春霞と呼ぶ

他人は神隠しと呼ぶ

君は死と呼ぶ

僕は生きているとする