「今宵朝を想って、晴天の辟易」風街今日

文章を描く高校生ですが。

「ときといカメレオン」

 

いじっぱりの初雪事前

時を問うカメレオンが自己紹介を明日もしつづける

リベッラベッレベレベッ

トレンチコート翻す高台の夜景に背もたれと溶けいだす時間軸、加えて世間体

縵網相の三本指でインテグラルを綴る彼は三日月を極微分の限りをつくしてギョロリ口角を押し下げる。何か価値ある曲線美を見つけ出したちょっと斜視だね

子供たちが十五の夜を舐め合うような錆びたブランコで、べらべらと唾を吐く時問いカメレオン。愛しあうために二席あるのだとしたって変温動物だから寄り添わない。紳士の風格。

代わりといってははた迷惑に彼が中折れ帽を私の目深に突きかぶす。やさしくは振り向けない怪物のなまあたたかき臭気。上目遣いに緑の皮膚をおがもうとして、鼻面かすめて夜空を透かした。

一閃が時問いカメレオンの大きなうつろまなこを割る

飛行機雲だ飛行機雲だ僕らの世を一線画した

時問いカメレオンの無表情が瓦解する一打が通ってしまったか

ウギャぎゃあーぎゃギャ

ついに常軌逸する時問いカメレオン

君がまだ見世物小屋であくせくトロ蠅を飲み込む、あのがたつき日々のちょ途切れ。その明け方、走る少年が温室を叩き割った。宵闇と崩れた水槽の小破片きらきらライトダストのあかつきがでた。とある幕切れ。そうか時問いカメレオン、かみさまの世界を信じたあの上気を思い浮かべているのか。囚われの水槽から逃げ出せた。排気ガスの浮き世にはじめて飛びでて、この春、時問いカメレオンが私を選んだ。

 

お洒落を挺している私をそれでも抱こうと長舌ベロベロしている彼。しらふな時問いカメレオンの紅頬は止まずあの日の天の川は出なかった曇天。

浸透する毒ヅキとやもめやもめとパイプ燻らす変態が世時を夜な夜な彩るかぶきの舌。私が液晶に囚われている間、世界は溜息のぶんだけ腐ってしまった。いきはどこですか。いきはどこですか。

虹が、虹がプリズム材質のビー玉の瞳に培われていた。

なおも時を問うカメレオン。

逃げも隠れもしなかったましてや背景に溶け込みもしない時問いカメレオンを、夢論者と都会のやつらDNAの底から笑っていやがる。

誰か一人でも彼に答えてあげたのでしょうか。でしょうか。

錯綜に虫眼鏡では間に合わない。二重螺旋Aでは語り尽くせない

手取り足取り教えてあげるわきしまぬベッドで

 

君はビードロ塀の向こう側であらぬ世間に夢見ていた。

私はだから、好きだよ、時問いカメレオン

鎌首もたげて空気に蒸発してゆきはじめる

ぬるぬるこころがうるおってるんだ