「今宵朝を想って、晴天の辟易」風街今日

文章を描く高校生ですが。

「日本書紀外伝」

金の綿雲が隆起して、産み落とされも湧き上がりもしながら形成しつつある常昼の白洲。御神子は青々と茂るその島。生命の煩雑さの源を掻いて立ち上る島々、烏賊が住まい漁村が起こった。神と神が喰いあった。岸壁に伊奘諾が印されている。 その大岩戸はオリオ…

「卒塔婆」

いきを失うと書いて もんどりうつ波が競える埠頭 真昼の月と露頭で血を揺らしたし 意地でも怒らないで運命をこなす ハナミズキの坂が満潮を見るその時々 母が置いてかないでと世迷言を叫んだ 瓦礫がかたどる道で不法の塔を見上げたのに まだ命の心配もしてい…

「ときといカメレオン」

いじっぱりの初雪事前 時を問うカメレオンが自己紹介を明日もしつづける リベッラベッレベレベッ トレンチコート翻す高台の夜景に背もたれと溶けいだす時間軸、加えて世間体 縵網相の三本指でインテグラルを綴る彼は三日月を極微分の限りをつくしてギョロリ…

「桜の讃歌」

羞恥心から破天荒になって 眠りにつく、種はそうして桜を芽吹く 草分けのトノサマバッタも等身大な 寝転がった筋雲を渡り続ける 右半身は東京の喧騒へ 左半身は宇宙の夢へ 胎児の引っ越しだとか一番風に吹き飛ぶように “血”は誇りの響きだった 青空に家族は…

「カナダの森より」

日時をもう失った気がする、たった一人で 鎮守の、数百のエーカー、菌糸の張り巡らされた森で幸福を探している 許されますか 許されるさ ふかふかの小道を子供二人が歩いていく 追いつけそうもないけれど 少女と並ぶボクの声が聞こえ始める 常闇もいずれまた…

「Funk=Mom」

ラタトゥイユに代表される地獄狂 家庭並みの幸せも血気盛んなあけすけ天使しか降りず ゆりかごには死が寄りかかるもの ごめんなさい、生まれたが最後辞めるのも疲れる せいぜい病めるな。まぢかくは春の道が鳴く グラスフィルドの青が芽吹く心配性 許せぬ邪…